●(財)核物質管理センター 古橋 晃様
「研究炉ひろば」のご恵贈並びに投稿の勧誘、有り難うございました。
私は、もう研究炉の現場に立つ機会はないであろう年になってしまいましたが、この機会に寸感を記させて頂きます。
私は、熱中性子研究炉の1号炉であるJRR-1と、高速中性子研究炉の1号炉弥生の、それぞれの初臨界と初期の運転管理及び利用にたずさわる巡り合わせを得、
またいくつかの臨界集合体や実験炉にも関わりました。
熱中性子研究炉は、十数基できましたが、高速中性子研究炉は、当時の予測と違って、その後できませんでした。
これは片手落ちのような気がしてなりません。
試験炉や開発用の炉だけだなく、高速中性子スペクトルの研究利用が当たり前にならないと、高速炉時代は底が浅いものになりましょう。
また、高速中性子は意外な利用や研究手段を提示するかもしれず、特に開発目的でなくても作られてよい気がします。
やはり若干関わったJRR-2の引退を控え、原研がそのような高速中性子研究炉を考えてくれないかなと思っています。