●京都大学 西村 通様
「研究炉ひろば」をお送り頂き有り難うございました。
私は、岩石や鉱物の放射化分析やフィッション・トラック年代決定の研究をしていました。
さらに一昨年Ar-Ar年代測定の導入をしていましたが、今年3月京都大学から定年退官いたします。
京大炉(KUR-1)ができる直前JRR-1を少し使わせて頂いたことがあります。
京大炉の特性試験で照射孔の中性子エネルギー分布とその線量の測定を手伝い、共同利用始まって以来の利用者です。
京大炉の2号炉の問題のころからの利用者グループの幹事として色々な問題についてかかわってまいりました。
また、放射化分析の集いにも参加しました。
その結果、KUR-1では放射化分析に限っていえば種々の萌芽的研究手法の開発や大学院、学生の教育に重点を置き、
原研のJRR-3Mはもう定式化した放射化分析をさせてもらうなど棲み分ける事も必要と思います。
そのような研究の仕方を考えるのに、原研の方のお話は勿論ですが、この「研究炉ひろば」は非常に参考になります。
今後も永続的に刊行され多くの方々が色々な方面で活用されるものと確信いたします。
原研は、平成5年度より広い分野で多くの利用者が微量元素の多元素同時分析を精度良く、 より簡便に行うことができる「放射化分析支援システム」を構築するための調査・検討を進めてきており、 平成8年度からは、調査・検討の成果をふまえ、照射設備の標準化及び設備運転の簡素化等の整備を進めていく予定です。(編集子)