(1)照射設備

 照射設備については、ほぼ予定通り改造前と同等の中性子束の値が得られました。 また、気送管においては、照射終了後すぐに試料を取り出すことができるようにしたことにより、今後短寿命核種の放射化分析の利用が大いに見込まれます。

照射設備 照射時間 照射方式 熱中性子束
[n/cm2sec]
高速中性子束
[n/cm2sec]
カドミ比
Tパイプ 10秒〜6時間 水  力 A:7.0×1013
B:4.3×1013
A:1.2×1013
B:4.9×1012
3.9
4.8
Sパイプ 1分〜6時間 ホルダー 5.1×1013 5.2×1012 4.5
Dパイプ 1分〜6時間 ホルダー 5.4×1013 4.6×1012 4.8
Nパイプ(注1) 1分〜6時間 ホルダー 1.7×1013 8.3×1011 8.1
気送管(注2) 1秒〜20分 気送 4.5×1013 6.8×1012 3.6
(注1) Nパイプはシリコン照射(放振協)
(注2) バイパス回路使用時の照射時間は、20秒〜20分

(2)即発γ線分析装置

 即発γ線分析装置では、中性子ビームのガイドラインにスーパーミラー導管を導入したことにより、非常に良い熱中性子ビームを取り出すことができました。 医療照射におけるボロン(10B)濃度測定等今後の利用が期待されます。

利用設備 ビームライン サイズ 熱中性子束
[n/cm2sec]
カドミ比 γ線量
[mSv/h]
即発γ線分析装置 スーパーミラー 5×2cm 9.6×106 85 8.4

(3)中性子ビーム設備

 中性子ビーム設備は、熱外中性子と熱中性子モード?T、?Uの3つのモードから利用条件に合わせて好みのビームを選択することができます。 悪性脳腫瘍の治療等に期待されます。

ビームモード 熱中性子束
(<0.53eV)
[n/cm2sec]
熱外中性子束
(0.53〜10keV)
[n/cm2sec]
カドミ比 γ線量
[Sv/h]
熱外中性子モード 3.6×108 2.2×109 1.15 2.4
熱中性子モード?T 2.0×109 9.0×108 2.5 3.6
熱中性子モード?U 6.5×108 3.2×107 13.5 0.7