●JRR-3M

 JRR-3Mには、ビーム実験を行なうための水平照射孔が9本（1G〜6G、7R、8T、9C）設置されています。 このうち7本（1G〜6G、7R）は炉室内でビーム実験を行なうためのものであり、2本（8T、9C）は、炉室に隣接する実験利用棟に中性子ビームを導くための設備です。 9Cは、冷中性子源装置が供給する液体窒素のセルを通して中性子を導いているため、冷中性子を利用することができます。 JRR-3Mの水平実験孔は、実験孔の中心軸が炉心に対して接線方向を向いているため、ガンマ線、高速中性子束成分の少ない中性子ビームを得られる特徴があります。 水平実験孔のほとんどが、中性子の回折強度を測定して結晶構造や磁気構造の解析等を行なうためのものですが、中性子ラジオグラフィ実験（中性子による写真の撮影実験） や即発γ線分析実験（中性子照射直後に発生するγ線を分析測定する実験）にも利用されています。 中性子散乱実験では、超伝導体の磁気構造や冷中性子を用いた生体物質や高分子等の構造の解明に役立っています。