●研究炉部研究炉技術開発室 松林 政仁
中性子ラジオグラフィ(NRG)の実時間電子撮像法を用いると、外からうかがい知ることができないものの内部の動きをリアルタイムで非破壊検査・観察できる。 この例としては、エンジンの運動状態の観察や高温高圧下の金属管内流体挙動の観察等が挙げられる。 ここで言うリアルタイムとは、通常のテレビカメラの場合と同じく1/30秒で1枚の画像を取得する状態(30f/s)を意味する。 人間の目で物の動きを観察する場合には、この撮像速度で十分であるが、画像データから速い動きを解析する場合には、この撮像速度では不十分な場合がある。 京都大学原子炉実験所と研究炉技術開発室のNRGグループはNRGの高速度撮像法を金属管内空気−水二相流の可視化に適用し、撮像速度1000f/sでの可視化に成功した。 金属管は、研究炉用燃料要素の冷却水流路を模擬したアルミニウム製矩形管である。 高速度撮像法により取得した画像(500f/sで撮影)を示す。 画像中の白い部分が空気、黒い部分が水の存在する領域で、空気と水の界面の状態がはっきりと観察できた。(協力研究)
金属管内空気−水二相流