■冷中性子小角散乱装置(SANS-J)■


 この装置は、実験利用棟内の冷中性子ガイド管C3-2ビーム孔に設置され、冷中性子の小角散乱(散乱角0.05〜9°)を測定し、 物質の内部構造(2〜600nm程度)を調べる装置です。 中性子小角散乱は、電子顕微鏡やX線小角散乱では観測が難しいナノスケールの磁気構造や重水素化法を利用した高分子構造の研究などに威力を発揮します。 具合的な研究対象としては、超伝導体内部の磁束構造、高密度磁気記録材料の磁気ドメイン構造、 アモルファス金属の結晶化過程、液晶性高分子の構造相移転などを挙げることができます。 さらに、この装置は、物質の時間変化を実時間で測定する機能も備えているので、合金の相分離過程などの非平衡現象や緩和過程を研究するのにも非常に有効です。

(担当:材料研究部中性子散乱研究室)