研究炉部長   一色 正彦

 今から7年前スイスのCERNで開発された分散ハイパーメディアシステムに始まったインターネットは、あっと云う間に世界中を席巻し、情報革新をもたらしました。 さらに加えて、最近のパソコンの普及にも目を見張るものがあります。 そのお陰でインターネットは、我々の身近なものとなり、居ながらにして望みの情報を世界中から容易に入手できるようになりました。 その恩恵を通じて、改めて情報化の共有性を日頃痛感しているところです。
 JRR-1に始まる原研の研究炉は、原子力の開発研究に係わる共同利用施設として所外に門戸を開き、研究や人材育成に広く利用されてきました。 しかし、過去の利用が原子力科学を中心に、専門的でごく狭い分野に限られていたのに対し、最近では非原子力科学分野へ急速な広がりを示しております。 こうした状況を踏まえ、原子力に馴染みの薄いユーザーの参加を考慮し、"より開かれた原研"のキャンペーンの一環として、研究炉利用の情報化から第一歩を踏み出しました。 この「研究炉ひろば」は、そうした思いを込めて、施設PRに偏する事なく、これから利用していただける方々も含めたユーザーとのコミュニケーションの広場として、 インターネットの紙面版を目指して発刊されたものです。
 昨春、桜の便りにのせ初刊をお届けしてから、ピカピカの1年生もようやく名前を覚えていただけるところまでまいりました。 まだ2年坊主になったばかりですが、夢も持ち合わせております。 双方的な情報交換を理想とするなら、印刷物による情報発信には、自ずと限界があります。 そこで、既に関係者は季刊誌の発行と平行してホームページの開設準備を進めております。 「研究炉ひろば」をスーパーハイウェイに乗せお手元のパソコンにお届けできるのもそう遠くはないと思います。
 今後とも「研究炉ひろば」の充実に努める所存ですので、引き続きご支援戴けるようお願い申しあげます。