■JRR-2とラジオアイソトープの製造■


アイソトープ部製造課   照沼 久寿男

 ラジオアイソトープ(以降、RIと記す)は、原子炉を利用して大量に製造することができます。
 原研アイソトープ部では、医学、工業、理工学、その他、広い分野で利用されるRIについて、昭和43年からJRR-2を利用した本格的な製造を開始し、 短寿命RI(24Na、42K、64Cu、197Hg等)、 大需要RI(32P、35S、51Cr、198Au等)、 線源RI(192Ir、198Au等)その他20種を越えるRI製造技術の開発とこれらRIの製品化、頒布に貢献してきました。 昭和52年からはJRR-2を利用して253U(n、f)反応による99Moの製造を開始し、 740BGq/週で30回の製造、頒布を行うことができました。 その後99Moの需要増加に対応するために98Mo(n、γ)99Mo反応による 99Mo製造に着手し、これの照射技術では、研究炉部の設計、製作の照射試料装荷取出装置(写真)(原子炉運転中に照射キャプセルの挿入、 取り出しができる)により3A照射孔の中空円筒燃料内でのターゲットの照射が可能となり、大量99Moの定常製造体制を確立することができました。

原子炉運転中に照射キャプセルの挿入や取り出しができる照射試料装荷取出装置

 また、JRR-2を利用して、がんの治療などに使用される医療用の192Ir(図)、 198Au線源の製造や非破壊検査などに使用される工業用の192Ir線源の製造により、 これら線源の安定供給を行うことができました。

がんの治療などで使われるリボン状192Ir線源の装填法

このように、JRR-2がRIの製造に果たした役割は非常に大きく、この原子炉の36年間の運転と保守、照射などに携わった方々の苦労に対し心から感謝いたします。