JRR-3M、シリサイド燃料に変更

 JRR-3Mでは、今年度、第5サイクル運転終了後10週間原子炉を停止し、使用済燃料要素の発生量を減らす目的から、 炉心燃料を低濃縮ウランアルミニウム分散型合金燃料から低濃縮ウランシリコンアルミニウム分散型合金燃料(シリサイド燃料)に変更します。
 変更後の中性子束は、計算結果によると、シリサイド炉心への移行によりウラン装荷量が増加するため、燃料領域の熱中性子束が2〜3割減少し、 そのため中性子のスペクトルがやや硬くなり、重水タンク領域では熱中性子束のピーク値が1割程度増加する見込みです。 何サイクルか運転し、平衡炉心(14、15サイクル運転後)に近づくにつれて、中性子束の値は変更前と同程度になる見込みです。


単結晶構造解析用ラウエ中性子回折装置の開発

 研究炉部では、「単結晶構造解析用中性子ラウエ回折装置」を用いて今年(平成11年)の5月に、 にわとり卵白リゾチーム単結晶のラウエ回折斑点像(表紙参照)を得ることに成功しました。 同装置は、研究炉部が先端基礎研究センターの協力により開発整備したもので、高感度・高分解能の中性子イメージングプレート(NIP)を検出器としています。 得られた回折像は、先端基礎研究センターの新村主幹研究員らが、ラウエ・ランジュバン研究所で中性子イメージングプレート(NIP)を検出器とするラウエ回折計(LADI)を用いて測定した 同サンプルのラウエ回折像と比べ遜色ないものです。今後、速度選別器を組み合わせた特性試験を予定しており、エネルギー巾を狭めた中性子を利用して、 上述の回折像をしのぐより明瞭なデータの取得が期待されます。単結晶構造解析は、中性子線を用いた場合X線に比べて結晶自身の回折強度が低いこととビーム強度強度が低いこと、 また構造解析用回折装置が不足していることから、従来はX線回折法が主流でした。 しかし最近では、高中性子束炉の新規建設や改造による中性子ビーム強度の増加と中性子回折実験技術の向上により、 中性子回折法を用いてX線回折法では困難な生命現象や生理機能の発現に強く係る生体物質中の水素原子や分子の位置決定が可能になりました。 実験では、本装置の主目的の一つである卵白リゾチーム以外のKBr、D-KDP、α−シアノエチル等の単結晶についても測定を行い、鮮明な回折像を得ることができました。 同装置は、特性試験終了後共同利用として一般の利用者に開放する予定です。