平成11年11月、JRR-3Mの燃料をシリサイド燃料に変更した後に行われた利用施設の特性(中性子束)測定結果についてここに示します。 照射設備での熱中性子束測定には金箔を、高速中性子束測定にはニッケル線及びニッケル板を用いました。 カドミウム比は裸の金箔とカドミウム板で覆った金箔から求めた放射能の比から算出しました。 照射設備のこれらの測定結果を、アルミナイド燃料平衡炉心の特性測定値と比較して下表に示します。

JRR-3M照射設備特性測定結果  (20MW換算)

設備名 照射 位置 熱中性子束(m-2・s-1 高速中性子束(m-2・s-1 カドミウム比
アルミナイド燃料 シリサイド燃料 アルミナイド燃料 シリサイド燃料 アルミナイド燃料 シリサイド燃料
水力照射設備 HR-1 8.9×1017 ――― ――― ――― ―――   ――― ―――
1.1×1018 8.9×1017 0.81 ――― ―――   ――― 8.2
1.2×1018 9.6×1017 0.80 1.7×1016 ―――   5 7.7
HR-2 7.1×1017 ――― ――― ――― ―――   ――― ―――
9.7×1017 8.7×1017 0.89 ――― ―――   ――― 8.7
1.0×1018 9.8×1017 0.98 1.4×1016 ―――   5 8.2
気送照射設備 PN-1 6.0×1017 4.7×1017 0.78 ――― 7.4×1014 ――― ――― 30
6.0×1017 5.2×1017 0.87 1.7×1015 1.2×1015 0.70 26 22
PN-2 4.6×1017 4.3×1017 0.93 ――― 6.2×1014 ――― ――― 31
5.0×1017 4.7×1017 0.94 1.5×1015 1.1×1015 0.73 26 24
放射化分析用照射設備 PN-3 中間部 1.0×1016 8.2×1015 0.82 ――― ――― ――― 700 530
底部 1.9×1017 1.5×1017 0.79 6.0×1013 4.4×1013 0.73 300 290
均一照射設備 SI-1   2.0×1017 1.2×1017 0.60 ――― ――― ――― ――― ―――

              

 表から、照射設備のシリサイド燃料初期炉心における熱中性子束及び高速中性子束はアルミナイド燃料平衡炉心における値より約10%〜30%それぞれ減少しています。 また、別に測定した中性子ビーム実験設備においても同様の傾向を示しました。 なお、この値は原子炉燃料が全て新しいものを使用した時の値であり、運転時間の経過に伴い変化していきます。