・・一度利用してみて下さい・・


 JRR-3放射化分析用照射設備(PN-3)は、JRR-3改造時に放射化分析専用の照射設備として原子炉建家内に設置されたものです。 PN-3では試料を炉心まで搬送するための容器となるポリエチレン製キャプセルが内径約Φ10×20(mm)と小さいために、当初は試料を入れづらい、 比較のための標準試料や中性子モニターが一緒に入らないなど、不満の声もありました。
 しかし、利用を重ねるにつれ、高感度分析法である放射化分析においてはキャプセル寸法はこれで十分、またPN-3における中性子束変動は1日約1%と小さいために、 毎回照射量をモニターする必要がない、設備は測定装置も含め炉室内にあるため照射終了7秒後にはガンマ線スペクトル測定が可能となり半減期が秒オーダーの核種分析にも対応できる。 欠点と言われていたキャプセルについても小さいが故にキャプセル自身の誘導放射能が小さく、実験者の被ばく低減につながるなど、使い勝手の良い設備であることが理解されてきました。
 今では、年間1200〜1500キャプセルの照射実績を誇る人気の設備となっています。マシンタイムにはまだ余裕が有りますので、ご利用経験のない方は一度利用してみて下さい。

:照射後、キャプセルから試料を取り出さずにキャプセルごと分析する場合、図中のGe検出器(System A)を用いる。